蓋をしていた想い

ここは不思議な場所だ。

人に見せず人に言わずに、幸せだった日々を悲しみで蓋をした思い出を優しさと共に夢で見せる。

愛犬と過ごした日々を。

私をたくさん愛してくれた青春時代の彼と彼の家族を。
彼の家族は今もいつでも帰っておいでと夢で伝えてくれていた。

そして、父と母と家族として過ごした日々を。

現実に戻った時。
今、自分がどこにいるかわからずしばらく途方にくれた。


あぁ。
私は最愛のもの達との別れに蓋をしていたんだなぁ。

私を愛してくれた大切な家族と、家族のように愛してくれた人達。


あなた達に愛されてきた事を理解できなかった幼い私は、随分遠くまで愛を探しに来てしまったよ。

『私は愛される価値がない』と自己否定していたから、愛されてきたことに蓋をした。

最後の最後のパンドラの箱を開けたら、そこには無条件に愛されてきた私がいた。